仏像やフィギュアなどの商品を末永くご愛用いただくためのポイントを紹介しております。
保管時に気を付ける点
湿気をこもらせない
湿度が高い状態が続くと、特に木材においては表面にカビが生え、最悪の場合は腐食が進んでしまいます。
台所や風呂場などの水周りの近くには置かないようにしてください。湿度が上がりやすい環境の場合は、換気を良くし、湿度が高い状態が長く続かないようにしてください。
桐箱などは木材が吸排湿をし、調湿してくれ、保存環境としては良いです。しかし、年に一度程度、よく晴れた日に日陰で虫干しを行なうことをおすすめいたします。
乾燥させない
空気が乾燥し過ぎると、木材が乾燥し、干割れが生じます。特にストーブやエアコンの風が直接当たるようなところには置かないようにしてください。
湿度を一定に保つ
乾燥と湿気によって、像の材料である木材が、収縮と膨張を繰り返す中で、表面の彩色や漆塗りがその動きについて行けなくなる事が、表面剥落の原因の一つとなります。
したがって、博物館では温湿度を一定に保つという事を行っています。
木造建築の内部は割合に、温湿度の変化が緩慢になっており、良い保存環境となっています。
千年もの長きを伝世され、造像当初の表面彩色が見事に残っている像がある所以です。
紫外線にさらさない
日光や蛍光灯の光の中に含まれる紫外線は、木材、彩色、布等の素材全てを劣化させる要因となります。
像表面に施された塗装や木地面を劣化させ、次のような現象が起こります。
- 艶が無くなる
- 変色や脱色が起こる
- 塗装が剥離する
特に直射日光にはご注意下さい。表面の劣化と内部の劣化が起こりやすくなります。
博物館では、窓には紫外線カットフィルターを貼り、蛍光灯は紫外線を発しないものを使用して、塗膜を劣化させぬよう注意を払っています。蛍光灯については一般のご家庭では対処できない場合もあり、また、日光に比べその影響力は軽微です。
可能な場合は展示スペース近辺の蛍光灯を紫外線のでないタイプに変えていただくと、さらに長期間にわたり、美しい姿を保てます。
掃除の時の注意
○おすすめの方法
毛先の柔らかい筆や刷毛で優しく撫でるように付着したほこりを払ってください。
カメラの清掃に使用されるブロワーなどがあれば触れることなくほこりを飛ばせます。
×やってはいけないこと
雑巾や表面の粗い清掃用具で強く擦ると、木地表面が荒れてしまったり、塗装・金箔の剥落が生じます。
また、中性洗剤を含む全ての洗浄用薬品類はご使用できません。